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2017 Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections

104/111試験:治療歴のない患者において144週にわたりTAFベースのレジメンはTDFより優れる
Studies 104/111: TAF-Based Regimen Superior to TDF Through 144 Weeks in Treatment-Naive Patients*

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EVG/COBI/FTC/TAFは、EVG/COBI/FTC/TDFと比較して、144週にわたり腎機能マーカーおよび骨関連マーカーの改善と関連し続けた

  • 104試験および111試験の144週時点の解析:2つの第III相並行群間無作為化二重盲検対照試験[1]

主要な結論の要約

  • 2つの第III相試験では、治療歴のない患者の治療において、144週目で、エルビテグラビル(EVG)/コビシスタット(COBI)/エムトリシタビン(FTC)との配合剤で、テノホビルアラフェナミド(TAF)はテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)より優れる。
    • HIV-1 RNA 50コピー/mL未満の割合:84% 対 80%
    • HIV-1 RNA 20コピー/mL未満の割合:81% 対 76%
  • 両群におけるウイルス学的失敗時の耐性出現率は低い。
  • TAFベースのレジメンではTDFレジメンと比較して、144週にわたり腎機能バイオマーカーおよび骨密度に対する有害な影響は有意に少なかった。
  • TAFベースのレジメンではTDFレジメンと比較して、144週にわたり空腹時脂質レベルが有意に上昇した。
  • 治験責任医師らは、安全性、忍容性および効果の持続性に関する長期データにより、TAFを含むレジメンによるHIV治療の開始および継続が支持されると結論付けた。

背景

  • TAF:テノホビルのプロドラッグで、TDFと比較して標的外の骨および腎臓に対する作用が少なく、血漿中安定性が高く、細胞内テノホビル濃度が高い[2,3]
    • TAFはTDFと比較して、低用量で抗ウイルス効果を達成できる。
    • 消化管で吸収後のテノホビルの血漿濃度は、TAF 25 mgではTDF 300 mgと比較して90%低かった。
  • 第III相試験である104試験および111試験において、TDFと比較したTAFの48週目[2]のウイルス学的有効性(主要評価項目)および第96週目[3]のウイルス学的有効性は、初回抗HIV治療としてEVG/COBI/FTCも含んだシングルタブレットレジメンの一環として投与された場合に、非劣性であることが示された。
    • 48週目と96週目の結果から、TDFとの比較において骨および腎機能に関する評価項目に対するTAFの影響は少ないことが示された。
  • 本解析では、104/111試験においてEVG/COBI/FTC/TAFをEVG/COBI/FTC/TDFと比較して、144週にわたる長期有効性および安全性の結果を報告した。

研究デザインの図

適格基準

  • 主要な組み入れ基準
    • ART治療歴なし
    • HIV-1 RNA 1,000コピー/mL以上
    • eGFR 50 mL/min以上

ベースライン時の特性

  • 治療群間で均衡が取れていた。
特性 EVG/COBI/FTC/TAF
(n=866)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=867)
男性、% 85 85
年齢中央値、歳(範囲) 33 (18-74) 35 (18-76)
人種/民族、%
アフリカ系または黒人 26 25
アジア系 11 10
ヒスパニック系/ラテン系 19 19
CD4+細胞数中央値、個/mm³ 404 406
CD4+細胞数50個/mm³未満、% 3 3
HIV-1 RNA100,000コピー/mL超、% 23 22
eGFRCG、中央値*、mL/min 117 114
既往歴、%
糖尿病 3 5
高血圧 14 17
心血管疾患 1 3
高脂質血症 11 12

*Cockcroft-Gault式による

本解析の記述

  • 本解析は、2試験(104試験および111試験)[2]の試験対象集団を統合して行った。
    • 104試験:オーストラリア、欧州、日本、北米、タイ
    • 111試験:欧州、中南米、北米
  • 主要評価項目:48週時点でHIV-1 RNA 50コピー/mL未満であった患者の割合
    • FDAスナップショット解析による非劣性(EVG/COBI/FTC/TAF 対 EVG/COBI/FTC/TDFにおいて非劣性マージン12%)[2]
  • 副次的評価項目:96週および144週時点での有効性、安全性、および忍容性
    • 治験実施計画書で規定した評価項目:タンパク尿、血清クレアチニン、股関節および脊椎の骨密度
    • 本解析では144週時点のデータを提示する。

主要な結果

  • 144週目、TAFレジメンは、TDFレジメンと比較して統計学的に優れたウイルス学的有効性を示した。
    • HIV-1 RNA 50コピー/mL未満の差:4.2%(95%CI:0.6%-7.8%、P=0.02)
      • 有効性は、48週目および96週目において有意差はなかった。
    • HIV-1 RNA 20コピー/mL未満の差:5.4%(95%CI:1.5%-9.2%、P=0.01)
アウトカム、% EVG/COBI/FTC/TAF
(n=866)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=867)
ウイルス学的奏効(HIV-1 RNA 50コピー/mL未満)
48週目 92 90
96週目 87 85
144週目 84 80
ウイルス学的失敗
48週目 4 4
96週目 5 4
144週目 5 4
ウイルス学的データなし
48週目 4 6
96週目 9 11
144週目 11 16

TAFレジメンの有効性は、事前に規定した複数のサブグループにわたって有意に優れていた。

ウイルス学的奏効(HIV-1 RNA50コピー/mL未満)、144週時点のサブグループごと、%(n/n) EVG/COBI/FTC/TAF
(n=866)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=867)
ベースライン時のHIV-1 RNA
100,000コピー/mL以下 85* (567/670) 80 (537/672)
100,000コピー/mL超 83 (162/196) 81 (157/195)
ベースライン時のCD4+細胞数
200個/mm3未満 83 (93/112) 80 (94/117)
200個/mm3以上 84* (635/753) 80 (600/750)
試験薬の服薬遵守率
95%未満 72 (152/211) 71 (142/200)
95%以上 89* (577/651) 84 (553/661)
年齢
50歳未満 83 (647/777) 80 (602/753)
50歳以上 92* (82/89) 81 (92/114)
性別
男性 84 (616/733) 82 (603/740)
女性 85* (113/133) 72 (91/127)
人種
黒人 75 (168/223) 71 (152/213)
非黒人 87* (561/643) 83 (542/654)
地域
米国在住 84* (447/532) 80 (423/532)
米国以外に在住 84 (282/334) 81 (271/335)

*統計学的に優れる

  • ウイルス学的失敗時の耐性発現は、144週目までに各群で12例(1.4%)に認められた。
144週目までのウイルス学的失敗時の
遺伝子型耐性、n
EVG/COBI/FTC/TAF EVG/COBI/FTC/TDF
NRTI耐性のみ 4 4
EVG耐性のみ 0 1
NRTI+EVG耐性 8 7
  • 144週時点の有害事象(AE)による治療中止は、EVG/COBI/FTC/TAF群ではEVG/COBI/FTC/TDF群と比較して有意に少なかった(P=0.01、Fisherの正確検定による)。
    • 48週目(P=0.38)または96週目(P=0.10)において、有意差は認められなかった。
    • AEによる治療中止は、EVG/COBI/FTC/TAF群では治療開始後早期に発生したのに対して、EVG/COBI/FTC/TDF群では投与継続中のイベントとして発現した。
    • 大部分のAEは、治療開始後1ヵ月以内に認められた。
144週目までのイベント*、n(%) EVG/COBI/FTC/TAF
(n=866)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=867)
全AE 817 (94.3) 833 (96.1)
グレード3/4 140 (16.2) 137 (15.8)
重篤 121 (14.0) 124 (14.3)
死亡 4 (0.5) 5 (0.6)
AEによる治療中止
48週目 8 (0.9) 13 (1.5)
96週目 10 (1.2) 20 (2.3)
144週目 11 (1.3) 29 (3.3)
参加者10%以上で発現したAE
下痢 203 (23.4) 212 (24.5)
上気道感染 176 (20.3) 170 (19.6)
頭痛 166 (19.2) 135 (15.6)
悪心 150 (17.3) 167 (19.3)
鼻咽頭炎 125 (14.4) 123 (14.2)
咳嗽 117 (13.5) 102 (11.8)
疲労 101 (11.7) 97 (11.2)
関節痛 104 (12.0) 82 (9.5)
背部痛 104 (12.0) 104 (12.0)
不眠症 94 (10.9) 68 (7.8)
梅毒 86 (9.9) 97 (11.2)
骨減少症 69 (8.0) 87 (10.0)

*1回以上投与を受けた全患者を含む

†脳卒中:n=2、アルコール中毒:n=1、自殺:n=1

‡アルコールおよび薬物中毒:n=1、心筋梗塞:n=2、心停止:n=1、不明:n=1

  • 144週にわたり、腎有害事象による治療中止はTAF群ではTDF群と比較して有意に少なかった(それぞれn=0および12、P<0.001、Fisherの正確検定による)。
    • 腎尿細管障害の発症はTAF群では0例であったのに対し、TDF群では4例であった(96週目以降に新たに2例)。
144週目までの腎AEによる治療中止*、n EVG/COBI/FTC/TAF
(n=866)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=867)
合計 0 12
近位尿細管障害 0 4
クレアチニン増加またはeGFR低下 0 3
腎不全 0 2
腎症 0 1
タンパク尿 0 1
膀胱痙縮 0 1

*MedDRA 19.0では腎および尿路障害としてコード化

†腎尿細管障害、ファンコニー症候群/糖尿

  • 144週目において、両群でのグレード3/4の臨床検査値異常の発現率は全体的に同様であった。
144週目までのグレード3/4の臨床検査値異常*、n/n(%) EVG/COBI/FTC/TAF
(n=862)
EVG/COBI/FTC/TDF
(n=865)
合計 284/862 (32.9) 266/865 (30.7)
クレアチニンキナーゼ増加 99/862 (11.5) 87/865 (10.1)
空腹時LDLコレステロール増加 92/839 (11.0) 40/834 (4.8)
リパーゼ 6/127 (5.0) 13/154 (8.0)
空腹時高コレステロール血症 34/839 (4.7) 23/835 (2.8)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 29/862 (3.4) 32/865 (4.0)
アミラーゼ 22/862 (2.6) 43/865 (5.0)
血尿(定量評価) 25/862 (2.9) 26/865 (3.0)
好中球減少症 16/862 (1.9) 26/865 (3.0)

LDL:低比重リポタンパク

*各群の患者3%以上で発現

†各検査において、1回以上投与を受け、1回以上ベースライン後の臨床検査値が得られた参加者を分母として算出した割合

‡リパーゼは、血清アミラーゼが基準上限値の1.5倍を超える参加者でのみ解析

  • 144週にわたり、ベースラインからの腎機能パラメーターの変化量中央値にTAFレジメンとTDFレジメンで有意差があった(P<0.001、報告されたすべてのパラメーターについて両側Wilcoxon順位和検定による)。
    • eGFRCGのベースラインからの変化量中央値は、TAF群ではTDF群と比較して有意に小さかった(1.6 対 7.7 mL/min、P<0.001)。
ベースラインからの変化量中央値、%(n)* EVG/COBI/FTC/TAF EVG/COBI/FTC/TDF
尿中タンパク:クレアチニン比
48週目 -3.6 (819) 19.8 (801)
96週目 -9.1 (768) 16.1 (751)
144週目 -10.5 (740) 25.2 (699)
レチノール結合タンパク:クレアチニン比
48週目 9.5 (812) 51.2 (800)
96週目 14.3 (769) 73.8 (746)
144週目 34.8 (728) 111.0 (687)
β2ミクログロブリン:クレアチニン比
48週目 -31.7 (803) 23.3 (789)
96週目 -32.0 (761) 33.9 (737)
144週 -25.7 (722) 53.8 (681)

*時点ごとに評価した患者数

†TAF群およびTDF群のベースライン値:患者866例および866例において、それぞれ尿中タンパク:クレアチニン比43.9および43.8 mg/g、患者855例および855例において、それぞれレチノール結合タンパク:クレアチニン比63.9および67.1 µg/g、患者848例および848例において、それぞれβ2ミクログロブリン:クレアチニン比100.6 対 103.1 µg/g

  • 144週にわたり、空腹時総コレステロール値、LDLコレステロール値、高比重リポタンパク(HDL)コレステロール値、およびトリグリセリドは、TAFレジメンではTDFレジメンと比較して有意に上昇した(すべてについてP<0.001、ただしトリグリセリドP=0.02、両側Wilcoxon順位和検定による)。
    • 144週にわたり、総コレステロール:HDLコレステロール比中央値は群間で有意差はなかった(P=0.72)。
    • 脂質修飾薬の投与開始率は、群間で差はなかった(TAF群5.5%[n=48]およびTDF群5.8%[n=50])。
空腹時脂質パラメーター EVG/COBI/FTC/TAF EVG/COBI/FTC/TDF
総コレステロール、ng/mL
ベースライン時の中央値 160 163
ベースライン時からの上昇量の中央値
48週目 29 13
96週目 29 15
144週目 31 13
LDLコレステロール、ng/mL
ベースライン時の中央値 101 104
ベースライン時からの上昇量の中央値
48週目 13 2
96週目 17 7
144週目 19 6
HDLコレステロール、ng/mL
ベースライン時の中央値 44 44
ベースライン時からの上昇量の中央値
48週目 7 3
96週目 6 4
144週目 6 2
トリグリセリド、ng/mL
ベースライン時の中央値 95 100
ベースライン時からの上昇量の中央値
48週目 18 6
96週目 19 9
144週目 20 12
総コレステロール:HDLコレステロール比の中央値
48週目 3.7 3.7
96週目 3.7 3.7
144週目 3.7 3.7
  • 144週にわたり、TDF群ではTAF群と比較して脊椎および股関節の骨密度が有意に低下した(P<0.001、すべての時点における両パラメーターについて、治療を固定効果とした分散分析モデルによる)。
    • 骨関連AEで治療を中止した患者は、TDF群6例に対しTAF群0例であった。
ベースライン時からの平均変化率、%(n)* EVG/COBI/FTC/TAF EVG/COBI/FTC/TDF
脊椎骨密度    
48週目 -1.3 (795) -2.8 (790)
96週目 -1.0 (744) -2.8 (745)
144週目 -0.9 (702) -3.0 (686)
股関節骨密度    
48週目 -0.7 (791) -2.9 (784)
96週目 -0.6 (735) -3.3 (742)
144週目 -0.8 (690) -3.4 (683)

*各時点ごとに評価を受けた患者数

†ベースライン時におけるTAF群およびTDF群の患者数:脊椎845例および850例、股関節836例および848例、ベースライン時から48週目までの中間点におけるTAF群およびTDF群の患者数:脊椎797例および816例、股関節789例および815例

‡144週目の群間差:脊椎2.0%、股関節2.6%

参考文献
  1. Arribas JR, Thompson M, Sax PE, et al. Significant efficacy and long-term safety difference with TAF-based STR in naive adults. Program and abstracts of the 2017 Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections; February 13-16, 2017; Seattle, Washington. Abstract 453.
  2. Sax PE, Wohl D, Yin MT, et al. Tenofovir alafenamide versus tenofovir disoproxil fumarate, coformulated with elvitegravir, cobicistat, and emtricitabine, for initial treatment of HIV-1 infection: two randomised, double-blind, phase 3, non-inferiority trials. Lancet. 2015;385:2606-2615.
  3. Wohl D, Oka S, Clumeck N, et al. Brief report: a randomized, double-blind comparison of tenofovir alafenamide versus tenofovir disoproxil fumarate, each coformulated with elvitegravir, cobicistat, and emtricitabine for initial HIV-1 treatment: week 96 results. J Acquir Immune Defic Syndr. 2016;72:58-64.

Date posted:12/25/2017

Translated and published with permission. ©2020 Clinical Care Options, LLC

Disclaimer : Clinical Care Options is not responsible for the accuracy of the translation of this educational product,
including errors, omissions, or misinterpretations that may have occurred in the translation of this product from English to Japanese.

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