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2017 Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections

GEHEP-002研究:HIV/HCV重複感染者におけるSVR達成後のHCC発生率はIFNを含まないDAA時代になって上昇している
GEHEP-002: Occurrence of HCC After SVR in HIV/HCV-Coinfected Patients Increased in IFN-Free DAA Era*

*CCOの本サイト(英語)を閲覧するには、ユーザー登録が必要です。

スペイン人患者のコホートを対象とした本観察研究において、HCC発生率の上昇とDAA使用を関連づける証拠は認められなかった。今回の結果は、進行した肝疾患に対するHCV治療の使用増加を反映している可能性がある

  • GEHEP-002研究:多施設共同観察コホート研究[1]

主要な結論の要約

  • GEHEP-002研究コホート内では、HIV/HCV重複感染者におけるC型肝炎ウイルス(HCV)に対する治療での持続性ウイルス学的著効(SVR)達成後に発症する肝細胞がん(HCC)の症例の割合は、HCVに対して直接作用型抗ウイルス剤(DAA)単独療法を用いる現在では、インターフェロン(IFN)を用いる治療が行われていたそれ以前の時期と比べて大幅に上昇している。
    • これは、DAA単独療法の時代における末期肝疾患患者に対するHCV療法の増加を反映している可能性があり、これらの患者ではSVRがHCCに対してそれほど保護効果を提供しない可能性がある。
  • 本解析の限界:
    • 肝硬変患者のアウトカムに関する欠測データのために、この対象集団におけるHCCの正確な発生率が確認できなかった。
    • DAA単独療法時代における追跡調査期間が短かったため、この期間内におけるSVR達成後のHCC発生率が過少に推定された可能性がある。
    • HCC再発に関する解析の結論は、少ない症例数と、DAA開始後の追跡調査期間の短さによる限界がある 。

背景

  • HIV/HCV重複感染者において、HCV感染に対する治療後のSVR達成は重大な肝疾患イベント(HCCを含む)のリスク低下と関連する[2]
  • SVRを達成したHIV/HCV重複感染者は、特に肝硬変患者では、その後もHCCのリスクを有する[3]
  • IFNを含まない治療を行う現在において、SVR達成後のHCCの相対リスクは明確にはなっていない[4]
  • 本研究は、DAA単独療法時代においてSVRを達成したHIV/HCV重複感染者のHCCリスクを検討する目的でデザインされた[1]

研究デザインの要約

  • スペインのGEHEP-002研究コホートにおいて、32ヵ所のクリニックからの参加者で、HIV/HCV重複感染を有し、米国肝臓病学会(AASLD)の基準にしたがってHCCが診断された場合に本研究に適格とされた。
  • 症例を、スペインにおいて優勢であったHCV感染に対する治療の種類に基づいて、以下の4期に分類した:
    • 第1期(2001年以前):非ペグ化IFN
    • 第2期(2002年~2011年):ペグインターフェロン(pegIFN)+リバビリン
    • 第3期(2012年~2014年10月):pegIFN+DAA
    • 第4期(2014年10月~2016年):IFNを含まないDAAレジメン

  • 各期について、以下を評価した:
    • SVR達成後に発症したHCC症例の割合
    • HIV/HCV重複感染肝硬変患者におけるSVR達成後のHCC発生率
    • HCCの既往を有し治癒的治療により管理され、HCV治療を受け、HCV治療前に超音波検査でHCCが認められなかった患者でのSVR達成後におけるHCC再発率

ベースライン時の特性

  • 2017年1月以前にSVRを達成した肝硬変を有するHIV/HCV重複感染者1,305例を対象に、SVR達成後のHCC発生率を評価する解析を行った。
    • GEHEP-002研究コホート内の19施設から登録された。
  • HCC患者319例を対象に、HCV治療の種類による4期におけるHCC症例の差を評価する解析を行った。
特性 患者(N=319)
年齢中央値、歳(IQR) 49 (46-52)
男性、n(%) 287 (90)
過去のアルコール摂取量>50 g/日、n (%) 87 (27)
HBsAg陽性、n(%) 41 (14)
HCV遺伝子型、n(%)*
1 125 (49)
2 3 (1)
3 93 (36)
4 35 (14)
HCV感染に対する治療歴あり、n(%)  143 (45)
SVR達成後のHCC発症、n(%) 40 (12)

HBsAg:B型肝炎ウイルス表面抗原、IQR:四分位範囲
*N=256

主要な結果

  • HIV/HCV重複感染者におけるSVR達成後のHCC発生率は、IFNを含まない治療が行われていた時期(第4期)では、それ以前の治療時期と比べて有意に高かった。
アウトカム、
n/N(%)
第1期:
2002年以前
第2期:
2002~2011年
第3期:
2012~2014年10月
第4期:
2014年10月~2016年
SVR達成後のHCC* 1/6 (16.7) 16/161 (9.9) 10/111 (9.0) 13/41 (31.7)

*第1~3期と第4期の比較でP<0.001

  • 第4期におけるHCC症例は第1~3期と比較して、SVR達成後の発症が早く、遺伝子型3型HCV感染または肝外転移の割合が低く、早期HCCである割合が高かった。
SVR達成後の HCC症例の特性 第1~3期:2014年10月以前
(n=27)
第4期:2014年10月~2016年
(n=13)
SVR達成後の期間中央値、月(IQR) 24 (10-63) 16 (3-36)
遺伝子型3型HCV感染、n(%) 16 (59) 4 (31)
Child-Pugh分類A、n(%) 14 (52) 9 (69)
過去のHCCスクリーニング、n(%) 11 (41) 10 (77)
多中心性HCC、n(%) 14 (52) 6 (46)
ミラノ基準、n(%) 10 (37) 7 (54)
門脈血栓症、n(%) 9 (33) 4 (31)
肝外転移、n(%) 5 (19) 1 (8)
BCLC病期分類、n(%)
0-A 10 (37) 7 (54)
B 1 (4) 2 (15)
C 13 (48) 4 (31)
D 3 (11) 0

BCLC:Barcelona Clinic Liver Cancer(バルセロナ臨床肝癌)

  • 肝硬変を有するHIV/HCV重複感染者1,305例中、研究期間中に30例がSVR達成後にHCCを発症した。
    • 発生率はpegIFN+リバビリン(第2期)で最も高く、DAAの使用(第3~4期)で低下した。
アウトカム、n/N(%) 第1期:
2002年以前
第2期:
2002~2011年
第3期:
2012~2014年10月
第4期:
2014年10月~2016年
肝硬変を伴う患者におけるSVR達成後のHCC 1/15 (6.67) 17/145 (11.72) 4/238 (1.68) 8/907 (0.88)
  • HCC患者39例が、HCC診断後にHCV治療を受けた。
    • 8例がIFNを含む治療、31例がIFNを含まないDAAレジメンによる治療を受けた。
  • HCV感染に対してIFNを含む治療を受けた患者では、IFNを含まない治療を受けた患者と比較して、HCCに対する治癒的治療後のHCC再発率に有意差は認められなかった(P=0.9)。
レジメン別のアウトカム、n/N IFNを含むレジメン IFNを含まないDAA
HCC診断後にHCV感染に対する治療を受けた 8/39 31/39
HCCに対する治癒的治療後 8/8 19/31
HCC再発を経験 1/8 4/19
参考文献
  1. Merchante N, Revollo B, Rodríguez-Arrondo F, et al. Hepatocellular carcinoma after SVR with IFN-free regimens in HIV/HCV coinfection. Program and abstracts of the 2017 Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections; February 13-16, 2017; Seattle, Washington. Abstract 139.
  2. Berenguer J, Alvarez-Pellicer J, Martín PM, et al. Sustained virological response to interferon plus ribavirin reduces liver-related complications and mortality in patients coinfected with human immunodeficiency virus and hepatitis C virus. Hepatology. 2009;50:407-413.
  3. Merchante N, Merino E, Rodríguez-Arrondo F, et al. HIV/hepatitis C virus-coinfected patients who achieved sustained virological response are still at risk of developing hepatocellular carcinoma. AIDS. 2014;28:41-47.
  4. Llovet JM, Villanueva A. Liver cancer:effect of HCV clearance with direct-acting antiviral agents on HCC. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13:561-562.

Date posted:12/25/2017

Translated and published with permission. ©2020 Clinical Care Options, LLC

Disclaimer : Clinical Care Options is not responsible for the accuracy of the translation of this educational product,
including errors, omissions, or misinterpretations that may have occurred in the translation of this product from English to Japanese.

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