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aids2018 NAM

2019年3月7日

ロンドンの患者は幹細胞移植後HIVの長期寛解にある

London patient in long-term HIV remission after stem cell transplant

Ravindra Gupta presenting at CROI 2019. Photo by Liz Highleyman.

今週シアトルで開催中のConference on Retroviruses and Opportunistic Infections(CROI 2019)での発表によればロンドンのある男性は、リンパ腫の治療のために受けた骨髄幹細胞移植後にHIVの治療を中止したが、1年半の間HIVは検出されていない。

この症例は、HIVが治癒した初めての人物で「ベルリンの患者」と呼ばれているTimothy Ray Brownにたとえられている。Brownは白血病を発症して幹細胞移植を受けたが、その骨髄ドナーはCCR5-delta-32として知られるまれな遺伝子変異を2コピー保持していた。この変異があると、HIVのほとんどの型が細胞に感染する際に使う入り口であるT細胞上のCCR5コレセプターが欠損し、HIVに対する抵抗性が生み出される。Brownは、移植前処置としてがん化した免疫細胞を死滅させるための強化化学療法と全身の放射線照射を受け、ドナーの幹細胞はHIVに抵抗性のある新しい免疫系を再建することができた。BrownはHIV治療を中止し、12年間HIVウイルスが検出されていない。

University College LondonのRavindra Gupta教授は、通称「ロンドンの患者」の症例を匿名のまま発表した。患者はホジキンリンパ腫を治療するために、2016年の5月に幹細胞移植を受けた。Brownのように、彼のドナーも2コピーのCCR5-delta-32変異を保持していた。患者は、移植前処置として強度が弱めの化学療法を受け、移植によりリンパ腫は完全寛解をもたらした。

この男性患者は、移植後16ヵ月で抗レトロウイルス療法を中止した。18ヵ月後、血中のウイルス量は、1コピー/mLを検出できる感度の高い検査でも検出不可能のままで、末梢のCD4細胞でHIV DNAは検出できず、検査では2,400万個の休止期のT細胞に「再活性化可能な」ウイルスの存在は示されなかった。

Gupta氏はこの男性のウイルス量がリバウンドする可能性はまだ残されていると述べた。同氏は、2~3年間ウイルスが検出されなければ治癒について言及してもよいだろうと示唆し、「それが達成できることを強く確信している」と述べた。

これらの症例はHIVの治癒の研究分野にとっては興味深い教訓であるが、もしCCR5-delta-32の幹細胞移植でHIVの機能的治癒が達成できるとしても、リスクの高いこの処置が一般的な選択肢になることはないと、専門家は警告している。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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