2020年3月12日
オーストラリアの同性愛と両性愛の男性でHIV発生率の4分の3の減少は、予防としての治療と強く関連
HIV incidence falls by three-quarters in Australian gay and bisexual men, strongly associated with treatment as prevention
Denton Callander presenting at CROI 2020.
HIVの予防としての治療は、コミュニティーレベルのウイルス抑制として測定されたが、PrEPが利用できるようになる前でさえ、 オーストラリアの同性愛と両性愛の男性でみられた新規HIV感染数の大きな低下と強く関連していた。この研究は、CROI 2020で、University of New South WalesのDenton Callander博士が発表した。
予防としての治療(または、検出できない=感染しない、U=U)には、個人レベルでは明らかに恩恵があるにもかかわらず、予防としての治療(TasP)の同性愛と両性愛の男性における直接測定されるHIV発生率に対するコミュニティーレベルでの効果を評価した大規模な試験はまだない。
この研究で用いたデータはNew South WalesとVictoriaの約115,000人の同性愛と両性愛の男性からのものであった。コミュニティーレベルでのウイルス血症を推定するために2つの測定値を用いたが、それらはHIV感染者の臨床的なウイルス量測定の個々の結果と、HIV感染が診断されていない男性の数の推定値であった。
HIV発生率は、2012~2017年まで繰り返し行われたHIV検査と年間の新規HIV診断を調べて確定した。コミュニティーのウイルス血症とHIV年間発生率の相関は、PrEPがオーストラリアで広く利用できるようになる前の2012~2015年までと、2012~2017年までの期間全体の両方について計算した。
同性愛と両性愛で診断された男性のHIVウイルス血症は、HIV治療を受ける男性が増加したため、2012年の17%から2017年の4%まで大きく低下した。一方、HIVに感染しているが診断されていない男性の割合は、11%から9%と微減した。まとめると、HIVウイルス血症のコミュニティーでの年間有病率は、2012年の29%から2017年の13%まで低下し、一方、HIV発生率は2012年の0.88/100人年から2017年の0.22/100人年まで低下した。
この研究は、コミュニティーのウイルス血症のレベルの低下は、HIV陽性と診断された男性の減少と強く関連していたことと、この関係はPrEPがこれらの州に導入される前から存在していたことを示している。
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