2020年3月12日
長時間作用型注射薬は2ヵ月ごとに投与できる可能性がある
Long-acting injectables might be administered every two months
CROI 2020での報告によれば、2種類の長時間作用型注射薬の組み合わせによる2ヵ月ごとの投与は、毎月の注射と同様にHIVウイルス量を抑制する。
治療を隔月で受けることができると、より便利になり、アドヒアランスを改善する可能性もある。しかし、この試験では、隔月のレジメンで投与を受けた人は、ウイルス抑制を維持できなかった場合、耐性となってしまう可能性がより高かった。
長時間作用型カボテグラビル+リルピビリンは、数年間研究されている。これまでの研究は、薬剤のレベルは体内で1ヵ月超維持されることを示していて、研究者らが隔月のレジメンを検討することを促していた。
新しい試験であるATLAS-2Mは、1,045人の参加者を組み入れ、カボテグラビル600 mgとリルピビリン900 mgの注射を隔月で受ける群(522人)と、カボテグラビル400 mgとリルピビリン600 mgの注射を毎月受ける群(523人)に無作為に割り付けた。
48週間の治療後、隔月のレジメンの参加者の94.3%と、毎月のレジメンの参加者の93.5%は、ベースラインで検出不能であったウイルス量が検出不能のままであった。
しかし、隔月のレジメンの8人(1.5%)と毎月のレジメンの2人(0.4%)で、2回続けてウイルス量が200コピー/mLを超えることと定義されたウイルス学的失敗が確認された。頻度の少ない方のレジメンを用いた人は、薬剤耐性変異を持つ可能性がより高かった。
治療は概して安全で忍容性は良好で、最もよくみられた副作用は注射部位反応であった。試験参加者のほぼ全員が、毎日の経口治療よりも注射を好むと答えた。
これらの結果は、隔月投与の長時間作用型カボテグラビル+リルピビリンの魅力的な治療の選択肢となる可能性を示しているが、薬剤耐性の可能性がより高いことが懸念材料となる可能性がある。
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本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
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