2020年3月14日
妊娠女性にとってドルテグラビルベースのHIV治療は最も安全で効果的な治療法である
Dolutegravir-based HIV treatment is the safest and most effective choice for pregnant women
IMPAACT 2010試験の結果より、妊娠女性に対するドルテグラビルベースの抗レトロウイルス治療により、出産時のウイルス量未検出の割合が増加することが示された。ドルテグラビルとテノホビルアラフェナミドフマル酸塩を含むレジメンは、エファビレンツベースの治療よりも早産および新生児死亡が少なかった。
この知見は、今週、Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections(CROI 2020)で発表された。
ドルテグラビルベースの治療は、多くの国でHIVの一次治療となりつつある。ボツワナで実施された観察研究において、最初、新生児の神経管欠損症の発現率が高いとの結果が示されたことから、2018年には妊娠初期におけるドルテグラビルの安全性に関する懸念が高まった。しかし、長期間の追跡調査により、神経管欠損症のリスクは当初の予測よりも低いと結論づけられ、2019年7月より世界保健機構は妊娠可能な年齢の女性を含むすべての人に対してドルテグラビルを推奨している。
IMPAACT 2010試験は、妊娠中および授乳中の女性を対象に、ドルテグラビルを含む2つのレジメンの安全性と有効性を標準療法と比較するための試験である。妊娠14週以降で、HIV療法を初めて受ける、または今回の妊娠での治療期間が14日未満である参加者643人を対象とした。参加者を以下に示す3つの群に無作為に割り付けた:
- ・ドルテグラビル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)+エムトリシタビン投与群
- ・ドルテグラビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)+エムトリシタビン投与群
- ・エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)+エムトリシタビン投与群
試験開始時に検出可能なウイルス量(50コピー/mL以上)を有していた女性の割合は84%であり、ウイルス量の中央値は903コピー/mLであった。分娩時にウイルス量が抑制されている(200コピー/mL未満)女性の割合は、2つのドルテグラビル投与群の方がエファビレンツ投与群よりも有意に高かった(97.5% vs 91%)。
ドルテグラビル/TAF/エムトリシタビン投与群の有害出産転帰(早産、妊娠期間に比べて胎児が小さい、または死産)のリスク(24.1%)は、他の2群(32.9%および32.7%)に比して低かった。
関連サイト
- Read this news story in full on aidsmap.com
- View the abstract on the conference website
- Visit our conference news pages for all our CROI 2020 coverage
本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
記載されている医薬品のご使用にあたっては、必ず各薬剤の製品添付文書をご参照下さい。