2020年3月17日
SEARCH試験により、全員を「検査と治療」の対象とすることは乳児のHIVを減少させる
SEARCH study finds universal 'test and treat' reduces infant HIV
'Community Health Workers Working with HIV-infected Mothers'. Baylor College of Medicine Children's Foundation–Malawi / Robbie Flick. Creative Commons licence.
ケニアとウガンダでは、コミュニティーにおける大規模な「検査と治療」運動の結果、母親から子供へのHIV感染が減少し、試験の終了時にはHIVに感染した乳児が少なくなった。 SEARCH試験の結果が、先週のConference on Retroviruses and Opportunistic Infections(CROI 2020)で発表された。Bostonで予定されていた会議が新型コロナウイルスCOVID-19についての懸念から中止となり、オンラインで発表された。
SEARCH試験では、HIV治療を標準治療として実施する群と、コミュニティーでの検査を強化して全員を治療し、診療への紹介を効率化した群(介入群)に無作為化した。3年間の試験の終了までに、介入群のコミュニティーのHIV感染者の80%がウイルス抑制を達成したが、 標準治療群のコミュニティーでは68%であった。
SEARCH試験は、垂直(母親から乳児への)感染に関する結果を報告した最初の大規模な検査と治療の試験であり、標準治療に比べて垂直感染が半分以上減少したと報告した。全員を検査と治療の対象とする介入を受けたコミュニティーでは、HIVに感染している女性から産まれた乳児の1.8%しか、試験の終了までにHIVに感染しなかったが、対照のコミュニティーでは4.4%であった。
試験責任医師らは、試験の介入が乳児のHIV感染を減少させた機序である可能性を2つ挙げている。試験期間中にHIVに感染した女性の診断と治療の開始がより早かったことと、全員治療のために妊娠した女性での治療の開始がより早かったことである。
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本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
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