2020年3月19日
HIVに感染している幼児が無治療で3年間ウイルス抑制を維持
Child with HIV maintains viral suppression for three years off treatment
抗レトロウイルス薬はHIVの複製を長期間にわたって抑制できるが、一般的には、治療を中止するとすぐにウイルス量が再増加する。しかし、ウイルス量のリバウンドが遅れた症例がいくつも記録されていて、これは、幼児で治療を非常に早く開始した場合に起こりやすいようである。
この新しい症例の幼児は、HIV陽性の女性から満期で健康に生まれたが、この女性は妊婦管理を受けなかったので、母子感染を防ぐ抗レトロウイルス薬の投与を受けなかった。乳児は生後33時間でARTを開始した。14日目の検査ではHIV DNA 陽性であった。
幼児が13ヵ月の時、母親が幼児のARTを中止した。3年間にわたる追跡で、幼児は臨床的に健康で、HIV RNAは検出されない(20コピー/mL未満)ままであった。それに加えて、幼児のHIV抗体のレベルが低下し、月齢15ヵ月で陰性になり、その後も陰性が続いた。
臨床チームは幼児のモニターを続けていて、この長期のウイルスのコントロールは、治療を非常に早く始めたことに関係しているのか、あるいはこの幼児またはウイルス株の固有の特性によるものなのかを明らかにすることを目標にしている。
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