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aids2018 NAM

2021年3月12日

治療用ワクチンにより抗レトロウイルス療法を中止してもHIVをコントロールできる可能性がある

Therapeutic vaccine shows potential for HIV control off treatment

Dr Beatriz Mothe (bottom left) presenting to CROI 2021.

オンラインで開催されたCROI 2021において、スペインのBadalonaにあるIrsiCaixa Institute for AIDS ResearchのBeatriz Mothe博士は、治療用ワクチンにより一部のHIV感染者は22週間以上治療を中止することができ、また、非常に低いウイルス量を維持することができたと述べた。

HTI治療用ワクチンは、「エリート・コントローラー」(治療しなくても長期間HIVをコントロールできる人)に関する研究から得られた見解に基づいて考案されたワクチンである。この研究により、ウイルス制御に関連するHIVの特定の領域に対するCD4およびCD8細胞の免疫応答がHIVコントロールに関与していることが明らかとなった。このワクチンは、このような免疫応答を刺激するよう作られている。

Mothe氏は、HIV感染者を対象としたこのワクチンの第I/IIa相安全性試験(AELIX-002試験)の結果を発表した。この試験には、HIV感染後6ヵ月以内に抗レトロウイルス療法を開始し、少なくとも1年間はウイルス量が検出されず、また6ヵ月間はCD4数が400/µL超であった参加者を組み入れた。

第I相試験では、参加者45名を18ヵ月間に8回ワクチン投与する群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。HTI免疫原は、DNAベクター、MVAベクター、あるいは改変チンパンジーアデノウイルスベクターとして投与した。

第II相試験では、ウイルス制御に対するワクチン接種の影響を評価するために、参加者に24週間治療を中止するよう依頼した。41名が治療を中止することを選択した。ウイルス量とCD4数は週1回モニターした。いずれかの時点において100,000コピー/mL超のウイルス量が認められた場合、ウイルス量の増加(10,000コピー/mL超)が8週間以上認められた場合、あるいはCD4数が2回連続で350/µLを下回った場合は直ちに治療を再開した。

すべての患者でウイルス量の再増加が認められた。再増加は治療を中止してから2~3週間以内に認められることが多かったが、大半の参加者は治療開始前のレベルまで再増加することはなかった。8名の参加者は22週目まで治療を中止することができた。治療中止期間中、ワクチン投与群5名とプラセボ投与群1名はウイルス量が2,000コピー/mL未満に維持されていた。

低いが検出可能なレベルのウイルス量を長期間維持した場合の健康への影響は明らかになっておらず、そのため、機能的治癒に関する研究の最終目標は、治療せずに検出限界未満のHIV量を維持することとなっている。しかし、国際エイズ学会の会長であるAdeeba Kamarulzaman教授は、このAELIX-002試験の結果を、「HIV感染者のHIV特異的T細胞を刺激することが治癒につながるというコンセプトを初めて証明した試験である」と好意的に受け止めた。

「機能的治癒」(抗レトロウイルス療法を用いなくても無期限にHIVが抑制されること)を達成するためには、組み合わせアプローチ(例えば、このワクチンと他の薬剤を組み合わせる)を用いる必要があると考えられる。このワクチン接種レジメンにTLR-7アゴニストであるvesatolimodを追加した試験が現在進行中である。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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